スウェーデン王立科学アカデミーは9日、2019年のノーベル化学賞を、旭化成の吉野彰名誉フェロー(71)、米テキサス大学のジョン・グッドイナフ教授(97)、米ニューヨーク州立大学のマイケル・スタンリー・ウィッティンガム卓越教授(77)に授与すると発表した。スマートフォンや電気自動車(EV)に搭載するリチウムイオン電池の開発で主導的な役割を果たした。世界の人々の生活を変え、ITをはじめ産業の発展に貢献した業績が評価された。
2001年以降の自然科学分野の日本人ノーベル賞受賞者は米国籍の南部陽一郎氏、中村修二氏を含め、今回の吉野彰氏の受賞決定によって19年までで18人を数える。60人を超す米国は別格としても、英独仏などを上回る世界2位の実績だ。基礎科学から応用工学まで幅広い分野で受賞しており、日本の底力を示している。
2019/10/9 19:51日本経済新聞 電子版より