日本製紙連合会(東京・中央)によると、10月の消費増税前の3カ月間(2019年7~9月)の紙と板紙の国内出荷量は590万8000トンと前年同期比1.1%減となり、紙製品全体では駆け込み需要がなかったことがわかった。前回増税前の3カ月間(14年1~3月)が同5.9%増だった。
内訳をみると、出荷量全体の半分を占める段ボール原紙などの板紙が279万5000トンと同1.1%減で前回(8.0%増)から大きく落ち込んだ。天候不順で飲料品などの需要が不振だったことから梱包材の段ボールの荷動きが低迷した。カタログやチラシなどに使う塗工印刷用紙は5.6%減(前回6.0%増)だった。コピー(PPC)用紙は7.2%増(前回13.1%増)だった。
需要が盛り上がったのはティッシュなどの衛生用紙で出荷量は48万トンと同12.3%増と前回(9.7%増)を上回った。直前の9月は、22.7%(前回は10.7%増)だった。全体で駆け込み需要が見られなかったことについて同連合会は「消費者が増税に慣れてきたのではないか」とみている。
紙と板紙の9月単月の国内出荷量は199万9000トンと微増だった。紙は0.7%減の106万6000トンで、2カ月連続の減少となった。板紙は同1.3%増の93万3000トンで、2カ月ぶりの増加だった。
2019/10/28 19:33 日本経済新聞 電子版より